会社ロゴ
Vibrationmaster社日本総代理店

HOME / Junker Test / DIN 25201 / ISO 16130 / 製品 / グラフ解析



グラフで緩みを解析する

J121は軸力(preload)を連続計測する軸力センサー、横方向変位量(transverce displacement)を連続計測できるレーザー変位量センサー、横方向負荷荷重(transverse load force,あるいは剪断力=shear force)を連続計測する荷重センサーをコンパクトなボディーに効果的に装備されています。

振動数はDCサーボモーターをコンピューター制御し試験中正確に一定に維持します。 これらの計測要素を横軸に振動負荷回数、縦軸にそれぞれmm、kNで適正な目盛でそれぞれの変位カーブをグラフに表示します。

J121で取得できるグラフは、DINやISOの報告書に添付することを目的としており、より見やすいようにフィルターがかけられています。
<表示グラフ例>
ISO 添付グラフ

J121には、フィルター機能を簡単にカリブレーションタブ内で外すことができます。
各センサーに割り与えられていたフィルタータイプのピックリストから”None”を選択すればフィルタリングされていないカーブが得られます。



<フィルタリングを外したグラフ例>
nonefilter


● 横変位量が名目±0.25mm、M8ボルト・ナットをターゲット軸力8.5kNで締め付けたボルトファスナーのユンカー振動で得られた横変位量と剪断力のカーブです。

計測データは.csvファイルフォーマットでアウトプットでき、他の大容量コンピューターを使い描画させたグラフです。 

ボルトはワッシャーのセンターホール内のクリアランス(約0.5mm)内で左右に振れワッシャーに触れていないことが、カーブが左右、上下対称であることから確認できます。

● 前項の試験と同じ条件で横変位量だけを±1.0mmに変更した試験の結果グラフです。

ボルトはワッシャーのセンターホール内のクリアランス以上に振動し、ワッシャーがボルト軸に当たり直接ボルトを傾斜させる動きがグラフに表れています。

カーブを観察するとtransverce forthのカーブに二つのピークが現れています。 最初のピークは軸力によるボルトヘッドの座面とワッシャー座面間の摩擦抵抗力に等しく、第二のピークは変位量最高点でのボルト曲げ力を現わしています。 第一のピーク(対摩擦力)は振動試験が進行するにつれボルトファスナーの軸力が喪失することで限りなく0kNへと減少します。

● 出力された.csvファイルからグラフ描画すると摩擦抵抗力の減少傾向と、ボルトファスナーが軸力を失った後の抵抗力がほとんど0kNになっていることが確認できます。

この試験ではボルトはM8を使用した試験ですが、ワッシャーとボルト軸のクリアランス(隙間)は0.3mmです。 負荷振動回数120回で軸力は95%以上喪失し140回で完全に100%喪失しています。

top adaptor
● ボルトファスナーを試験装置に固定する振動プレート側のアダプターです。 使用するボルトサイズごとのテストワッシャーを、アダプターの切り欠き部に合わせ嵌め込まれますから、旧タイプのようなワッシャーと振動プレートが滑り出しボルトに剪断力が確実に伝わらないという弊害がありません。

この構造により、振動試験中最初から最後まで振動プレートにより発生する剪断力が確実にボルト軸に伝わり、J121はボルト軸に掛かるtransverse fore(剪断力)を連続計測することができます。


theoreitical limiting displacement(論理学的限界変位量)、あるいはmarginal slip(限界スリップ)

ボルトファスナーが緩まないのは、初期負荷軸力(最初に締め付けた時に得られるボルト軸力)による締結部材間の摩擦力が、振動により発生したファスナーを緩めようとする外力に対し十分な抵抗力が有る場合には回転緩みが発生しません。

剪断力がこの摩擦による抵抗力に勝った時からボルトファスナーはボルト座面とワッシャーがスリップし始めファスナーは緩み始めます。 この剪断力を発生させるための横変位量をtheoretical limiting displacement(論理学的限界変位量)、あるいはmargianl slip(限界スリップ)と呼ばれ、既に公式化されています。

SGth = (Fv X μk X Lk3)/(12 X E X I)

SGth: theoretical limiting displacement (marginal slip)
Fv: 初期負荷荷重(kN)
μk: ボルト座面摩擦係数
Lk: クランプ長(mm)
E: ボルトのヤング率
I: ボルトの二次モーメント



公式の中でLkクランプ長をDINやISO規格で指定しているのは、その値の三乗に比例しているからです。 ちなみにDINはボルト呼び径に対しx1.7、ISOはx2.0〜2.5と規定しています。

グラフと.csvファイルから試験結果を解析する

J121は軸力の減衰カーブを取得できるだけでなく.csvフォーマットで実計測データとフィルタリングデータ両方出力できます。

研究·開発部門で必要なボルトファスナーの仕様を確認する場合には、振動数を1Hz程度の非常に低い振動数を200負荷振動回数程度というテストプロトコルで、様々な横変位量で試験することが適しています。 その理由は、高い振動数と負荷振動回数が大きいと出力されたデータ数が膨大となり過ぎ不必要なデータ領域も過大になるからです。 試験的には、ボルトファスナーに不要なイナーシャの排除もできた試験結果が得られます。

グラフ解析の例

(グラフをクリックして下さい。 拡大されたグラフが表示されます。)
名目0.25mm 名目0.50mm 名目1.20mm
横変位量名目±0.25mm 横変位量名目±0.50mm 横変位量名目±1.00o