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Vibrationmaster社日本総代理店

試験プロトコル
ボルト: M8 強度区分4.8 ピッチ1.25 SWRM10
ナット: M8 強度区分4 
潤滑: 二硫化モリブデンペースト
目標軸力: 8.5 kN
振動数:  0.5 Hz
横変位量: ±0.25 mm
実初期負荷軸力: 8.40 kN
実振幅: 0.48〜0.53 mm
最大締め付けトルク: 13.83 Nm
μtot: 0.18
トルク係数: 0.22

none filter eb50

軸力(緑色)の減衰カーブは初期の「なじみ緩み」から200負荷振動回まで連続的に低い率で減衰していることが分析できます。 これは緩みが連続的にこの変位量では発生しているという試験結果になります。
.csvファイルの数値データから、負荷振動回数0-20、100-120、180-200振動回のtransverse force(剪断力)displacement(横変位量)の詳細なグラフから解析します。

負荷振動回数 0−20 負荷振動回数 100−120 負荷振動回数 180−200
負荷振動回数2〜4回の間に、いわゆる「なじみ緩み」と呼ばれる軸力の低下が見られます。 さらに詳細に分析するために負荷振動回数0〜4回のtransverse force(剪断力)だけのグラフを描画します。 負荷振動数100〜120回の間、軸力はダラダラと一定の割合で下降しています。 その中でファスナー内で剪断力がどうなっているかも詳細なグラフを描画して解析します。 軸力の減衰に大きな変化は見られないが、ファスナー内のせ剪断力に変化が起きているかどうかを詳細なグラフを描画して解析します。
このグラフでマイナス領域は-1.4kN以下の計測値はデータ数を減らすためアンダーカットされています。

transverse force(剪断力)が、1.25kNから0.89kNと30%以上下降し、それ以後の変化が落ち着いている所から、この一回目の振動でボルト座面とワッシャ面でスリップがすでに始まっていることが確認できます。 この部分が「なじみ緩み」が発生した瞬間です。
試験中間の剪断力の波形が全く異なっていることが確認できますが、軸力による摩擦抵抗が未だ働いている状態と推測できます。

ボルト座面とワッシャーから伝達される第一のピーク値は振動開始時の安定期の0.75kNに対し0.51kNと35%程度さらに減衰した結果が出ており、ますますスリップしていると解析ができます。
波形がなだらかな正弦曲線になっており、剪断力が完全に摩擦抵抗力に勝った状況になったと推測できます。

ボルト座面とワッシャー間のスリップは増々増大し、剪断力は負荷振動回数100回の2.7kN近辺から1.5kNまで45%程度まで下降していることが確認できます。


評 価
振幅5mmは、このM8ファスナーにtheoretical limit transverse displacementあるいはmarginal slipを超えていると評価しなければなりません。 

この試験から技術者/設計者は、実際に使用するアプリケーションでこの程度の振幅の振動が予想される場合は、このボルトファスナーをそのまま使えないことが判断でき、ファスナーの本数を増やすか、さらにより強い締結力を得るためにボルト材質を上げ初期締め付け軸力を上げる必要があることが判ります。 設計上の制約で本数を増やしたり材質変更ができないような場合には、何らかの緩み防止のあるボルトファスナーの選択が迫られます。