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ISO 5393; Rotary tools for threaded fasteners - Performance test method

ISO 5393で、ナットランナーの性能試験と評価方法について規定しています。 ISO5393は、ドイツ技術者協会VDI2647が規定する測定方法が基本となっています。 インパクトレンチ、ラチェットレンチ、ラチェットクラッチ式レンチなどのような、トルクが連続的に負荷されない工具については適用されません。 (最近、パルスツールについては、ISO17104が発行されISO5393の手法が取り入れらています。) そして、ハードとソフトジョイントの達成トルクにバラ付きが無く正確であることとしています。

ハードジョイントでは、最終締め付けトルクが着座から27度以内で達成されていなければならない。
ソフトジョイントでは、最終締め付けトルクは着座から650度以上720度以内で達成されなければならない。
テスト・トルク・レベルは、ISO 5393に従いソフトジョイントに関連付けられます。


(ミーンシフト)
ハードジョイントとソフトジョイントでのナットランナーのシャットオフ/ストールトルクは異なります。その最終トルク値の差のことです。
(スキャッターバリュー)
ハードジョイント及びソフトジョイントの最終達成トルクのばらつき。

これらの計測値から統計分析手法を使い、ナットランナーの精度と工具品質として評価するのが、グローバルスタンダードです。


目標トルクの5%以下のトルク帯ではボルト(ナット)はフリーランの状態であり、5〜10%のトルク帯に着座トルクがあります。 目標トルクの10%以上からトルクの上昇カーブは、ハードでもソフトでも直線で変化することが経験則として認められています。 目標トルクに対し10%の点では既に角度3°廻っていることになり、トルク10%の点から27°で締め付け完了するのがハードジョイント、ソフトでは10%で70°回転しており、その点から650°で締め付け完了するのがソフトジョイントとしています。

各工具の試験インターバル
  MCテスト KICテスト
ナットランナー(空圧/バッテリー) 1回/年
修理後必ず
2〜6週間毎
製造工程の安定度により調整
EC工具 1回/年
修理後必ず
2〜6週間毎
製造工程の安定度により調整
参考;
クリックレンチ
1回/年
修理後必ず
2〜6週間毎
製造工程の安定度により調整
トルク/アングルレンチ 1回/年
修理後必ず
4週間毎
MCテスト(MCT)
Machine Capability Test、工具性能の評価試験。 
KICテスト
Keep In Capability、定期的な工具試験。 工具が所定のトルクで動作しているかどうかの試験であり、不具合がある場合工具を修理に廻すべきかどうかの判定。

試験は目標トルクの30%、80%、100%のトルク値でハード、ソフト両トルクレートで試験をされなければならない。 また、その計測結果は統計的分析でCm値が1.67を目標とし、1.33を下回らないとしています。

現在、日本で行われているツールのトルク検査は、アングル(角度)が無視された試験が主流ですが、グローバルスタンダードは、日本で主流であるスタティック(静的)トルク計測から、ダイナミック(動的)トルク計測に信頼を置くようになっています。

ISO5393の試験規定は多くの煩雑な手順が要求されていますが、モービルテストはそれらをCEUS8.2の操作ソフトと統計的解析ソフトで完全にカバーし、即座にISO5393に則った工具の良否の判定ができます。